なぜ、仲が悪くなったわけでもないのに、友達と疎遠になるのか?

本日のモヤモヤ

学生時代は、毎日のように顔を合わせていた友達。一緒にご飯を食べて、何でもない話で笑って、週末には遊びに出かけていた。

ところが、社会人になると、少しずつ会う回数が減っていきます。

連絡を取れば、普通に話せる。嫌いになったわけでも、けんかをしたわけでもない。それなのに、気づけば半年も会っていない。「また会おう」と言いながら、次の予定は決まらない。「忙しい?」と聞くのも、なんとなく気が引けてしまいます。

なぜ、仲が悪くなったわけでもないのに、友達と疎遠になるのでしょうか。

離れたのではなく、会う機会が減っただけ

疎遠になると、「自分が連絡しなくなったからかな」「もう会いたくないのかな」と考えがちです。気持ちが離れている場合もあるでしょう。

でも、会う機会そのものが減っているだけ、ということもあります。

学生時代は、同じ教室にいるだけで、顔を合わせられました。社会人になると、仕事も休日も生活リズムも変わります。以前は何もしなくても続いていた関係が、自分から時間をつくらないと、続きにくくなるのです。相手も、同じように忙しいのかもしれません。お互いに「向こうから連絡が来るだろう」と待っていて、時間だけが過ぎることもあります。「忙しいだろうから」と遠慮して、連絡を控えることもあります。気づかいが、かえって距離を広げることもあるのです。

友達には、結びつきの理由がある

「友達なら、仲がいいかどうかが大事」と思いがちですが、結びつきの理由で分けて考えた哲学者がいます。約2400年前の古代ギリシャの哲学者、アリストテレスです。

アリストテレスは、友達の関係を、大きく3つに分けました。

  • 役に立つから続く関係。 仕事で助け合う仲間など。
  • 一緒にいて楽しいから続く関係。 気軽に遊びに行ける友達など。
  • 相手の人柄を大切に思うから続く関係。 困ったときに、損得ぬきで支え合える友達など。

もちろん、一人の友達が、この3つのいくつかを、あわせ持つこともあります。どの関係がえらい、という話ではありません。役に立つ関係も、楽しい関係も、生活には必要です。

そして、アリストテレスは、人柄を大切にする関係は、時間をかけて一緒に過ごす中で育つ、と考えました。たとえば、学生時代は「一緒にいて楽しい」関係だった友達が、時間をかけて、「人柄を大切に思う」関係に育つこともあります。

少し難しく聞こえるかもしれませんが、要するに、友情は、「仲がいい」という気持ちだけでなく、一緒に過ごす時間でも育つ、ということです。

アリストテレスの考え方を借りると、疎遠になりやすいのは、気持ちが冷めたからではなく、一緒に過ごす時間が、少なくなったからだといえます。

会わなければ、友情が消えるわけではない

ただ、会う回数が減れば友情がなくなる、という意味ではありません。長く会っていなくても、再会すれば自然に話せる関係もあります。新しい友達が増えて、昔の友達との時間が減ることも、自然なことです。

また、ここはアリストテレスの考え方を、日常にかなり簡単に借りた話です。友達を3つに分けるのも、一つの見方にすぎません。時期によって、関係の中身が変わることもあります。

友達との距離と、うまくつきあう方法

方法は一つではありません。合いそうなものを選んでみてください。

  • 短い連絡を送る。 「元気?」だけでいいのです。相手が好きそうな記事を送るだけでも、大丈夫です。「この前の店、まだあるかな」のような、気軽な話題でも十分です。
  • 一緒にしていたことを思い出す。 昔よく行った店や、好きだった趣味は、会うきっかけになります。「あの店、久しぶりに行かない?」と誘ってみます。
  • 会う回数で、友情を測らない。 毎週会う関係もあれば、年に数回で続く関係もあります。会えない期間があっても、関係が終わったとは限りません。
  • 重要でなければ、昔と同じ関係に戻さないと決める。 生活が変われば、関係の形も変わります。たとえば、昔は毎週会っていたなら、今は季節に一度、と決めてしまうのも一つです。会う頻度が変わっても、その人との関係が、小さくなるとは限りません。

もちろん、連絡しても相手が応じないこともあります。そのときは、無理に戻そうとせず、相手の事情を尊重していいのです。

友達と疎遠になったからといって、何かを失敗したわけではありません。昔と同じ形でなくていい。今の二人に合う距離は、どのくらいでしょうか。

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